しかし、電子制御スロットルのZ33、CPV35の場合、アクセルペダルと同時にはエンジンルーム内でのスロットルは全開になりません。これは過渡特性に代表されるスロットルの非線形制御云々の部分ではなく、その目標開度に到達するまでの時間をコントロールしている為に起こる問題です。従来から語られている非線形特性の存在をイコール、レスポンスの鈍さととらえがちですが。この部分に関しては、ワイアー式の時代から偏芯カムを使うなどして任意の演出が可能でした。
ワイアーで直接つながれているスロットルバルブの場合、アクセル開度とのラグは作れません。対して電子制御スロットルの場合、自由な非線形ラインの設定は勿論、その座標点上に到達する時間の設定までコントロールする事が出来るのです。いわば前者は、2次元のスロットル軸しか持てないのに対し、後者は3次元の自由度を持つスロットル制御が可能となるのです。 モーターが操るスロットルという部分の誤解からそのレスポンスが劣るような評論も目にしましたが、いまやF1もモトGPも電子制御スロットル。 サーボモーターの応答スピードはワイアー直結と変わらない速度を持っています。 Z33、CPV35のダルなレーシングでの反応は、蛮人でも操りやすいよう、メーカーが設定したZ33コンピューターの想定レスポンス。ですからそのプログラムを決めているデータを変えれば、ウソのようなレスポンスが簡単に引き出せてしまうのです。言い方を替えれば、Z33、CPV35の場合、軽量フライホイールやエンジンのバランス取りを行ったとしても、ノーマルCPのままではある一定以上のエンジンレスポンスにする事は出来ません。 第三の飛び道具。可変バルブタイミングのお話。
Z33、CPV35のチューニングバリエーションを考えた時、決まって言われるのがNAでいくか過給気(ターボorスーパーチャージャー)でいくか・・・です。 この問題を考えた場合、パワーを取るか、レスポンスを取るかという事に悩んでいるわけですが。実はそのどちらをも欲しいのが人間あたりまえ。だからこそ悩みとして皆さん思案して来たわけですが、Z33、CPV35の場合、その常識では思いつかなかった第三の選択枝の存在が重要な意味をもってきます。 その選択枝とはズバリ、可変バルブタイミングを利用したカム交換。ここで言う可変バルタイを利用したカム交換とは、ストリートでの実用性を考慮したカムプロファイルにおいて、実馬力で310ps、40kg/m!(269ps/34.8kg-atダイノパック係数ゼロ)ものトルク値を可能とする事実。カム交換だけ(圧縮や排気量UPは無)でそれを可能とする部分を言います。 従来の常識でも3.5Lのカム交換ならば310psはいくでしょう。しかしトルクに関しては、310を求めた場合、排気量と圧縮比、そのどちらかでも(たぶん両方)変更しない限り40キロは行きません。 圧縮比10.3のZ33、CPV35の場合、ノーマル排気量のままで310を狙った場合、トルクは35キロが良いところだと思います。だからこそ従来の常識ではあと付けの過給器を付けるとか、排気量や圧縮比アップと言う2つの方法が選択肢として存在していたわけです。 しかし、一方はコストやレスポンスの問題、もう一方もコストを含め、大幅な改造となってしまう点等、結局は二の足をふんでしまうのが現実だったと思います。 しかし新型Zの場合、カム交換だけで上記パフォーマンスが可能になる事実があります。ただ、カム交換といってもZ33、CPV35の場合、エンジンを下ろさなければならない部分もあるのですが、排気量や圧縮アップまでしたメニュー並みの変化がポン付けタービンをつけるのと同等のコストと時間で実現するのですから、十分一つの選択枝として確立されていくと思います。 補足を一つ。せっかくバルブタイミングをCPにて調整できるのならば、ノーマルカムのまま バルブタイミングを変更した結果がみなさん気になる事とおもいます。しかしこの部分に関しては、ノーマルカムに対する純正CPのデータは非常に良く出来ていて、全負荷領域ではプラス方向への変化は殆どありません。パーシャル域での若干の変化は出せますが、昔からトヨタのVVT−i(可変バルブタイミング)がそうであったように本当に純正CPのデータを把握した上でバルブタイミングを変更できるチューナーであれば、インテーク側のタイミング変更は、ことノーマルカムに対しては変わらない、と言う見解が殆どであり、ノーマルカム車両のレスポンスアップには、スロットルデータの変更の方がより顕著な変化が楽しめます。ただ、294psモデルと35アニバーサリーの排気側バルブタイミングデータに関しては、NOX対策の為の内部EGR・・・・?かわ分かりませんが明らかにバルタイデータ的に出力を落としている部分が存在します。
この部分のデータ変更に関しては、ノーマルカムのままでも明らかな出力変化が認められ、中間トルクにおいて、2 kg/mの向上をCPデータの変更のみで確認しています。 新時代チューニングのおさらい。まだ新しいチューニング方法の為、Z33のコンピューターによる制御変更がどの部分に関して有効なのかがピンときずらいと思いますが、ノーマルエンジンのままのレスポンスアップであれば電子制御スロットルデータの変更がもっとも有効であり、次に燃料、点火、若干の部分で可変バルブタイミングデータ(294psモデルの排気側バルタイ制御に関しては、ノーマルカムに対してもCPデータのみの変更で顕著な変化が可能になります)という順にパワーアップ効果が存在します。 次にカム交換をした場合には、上記とは逆にまずはバルタイデータの変更が最重要。純正カムとは違う設計バルタイを持つカムが装着されたわけですから、バルタイデータをCPによって変更していなければ、その効果が発揮できない、と言う生易しい表現を通り越し、現実にはノーマルカム状態よりもパワーダウンしてしまうという笑えない状態に陥ります。しかしこの状態からバルブタイミングを変更していくとノーマル出力は当然追い越し、さらには、前項のような大きな変化をZ33コンピューターは実現します。
この事からも分かる様に、インテーク側のバルブタイミングを変える事の変化は著しく、さらにそれをエンジンの状況にあわせCPにて自在に操れる事実は非常に大きい物があります。 そして最後にもう一つ、カム交換時に必要で大事なCPデータの変更項目があります。
ターボよりもNAな本当の理由。アミューズは、元々(今でも)ターボチューンが得意です。ただZ33、CPV35の場合、可変バルタイやエンジンの排気量を考えた時、今のウチの技術でターボを付けた場合、御願い出ないでっ!と御願いしてもトルクで80kg/m以上、パワーも600ps以上がどう考えても出てしまいます。3.5Lターボというのは本来そうゆう物であり、そこに可変バルタイや電子制御スロットルが組み込まれているわけですから当然の結果なのです。
ただ、その時問題となってくるのはエンジン内部のパーツ達です。コンロッドは勿論、オープンデッキのブロック本体も含めすべて強化品が必要となってきます。
アミューズが現在NAチューンを勧めているのは実はこの問題が一番大きいかも知れません。コストをかけて過給気を付けたとしても、壊れない範囲(トルクで45kgから50kgがまずはコンロッドの限界でしょう)のブーストに抑えて乗るターボであれば、絶対NAでガンガン回した方が面白いに決まっています。従来のNAの様に排気量や圧縮UP等、多くの合わせ技を駆使しても僅かなパワーUP。自己満足的な変化しか期待できないならともかく。カム交換のみ(従来の常識では最低限圧縮比を上げなければカーンと来ないでしょう、が正解でした)でも前頁の様なパワーアップが可能。ましてやノーマルピストン、ノーマル排気量のままでもニスモのスペック2ヘッドとチタンバルブを組み合わせたうちのZの場合、電子制御スロットルや可変バルタイとの合わせ技によって388ps、トルクで43.7kg(338ps/38kg-atダイノパック係数ゼロ)がNAのままで出ています。フェラーリやポルシェのレーシングエンジンを良く知るレーシングドライバーに取材で乗っていただく機会があったのですが、うちの車のエンジンには相当ビックリされていたのと同時に、面白い!を連発されていました。 スポーツカーとしての資質云々という話まで出てくるエンジンが、実はここまで良くなる事実。最新制御と適切なパーツ選びの組み合わせでZ33、CPV35は最上のスポーツカに変身させる事が可能です。
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